神農祭(11月22日~23日)へ行ってきました。
2018.11.30
皆様は『神農祭』というお祭りをご存知でしょうか?
「神農祭」の由来とは・・・
近年、「コレラ」という病名を耳にすることは無くなってきていますが、かつては、とても恐れられていた伝染病の1つです。
コレラが日本に入ったのは、1822(文政5)年、長崎を発端に大阪まで広がり、多くの死者を出しました。大阪では、1日に3~400人の死者が出たといわれています。
病にかかった人が、二三日でコロリと死ぬことから「三日コロリ」と、呼ばれていました。
虎や狼が一緒になって来るような恐ろしい病気ということで「虎狼痢(コロリ)」という、当て字が生まれたほどです。この時代に、コレラの特効薬などは存在するはずもありません。
治療法も分からない中でありながら、道修町(どしょうまち)の薬種商が相談して薬を作り、お守りと共に授与しました。
その薬は「虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきうおうえん)」といい、虎の頭骨など10種類の和漢薬を配合した丸薬でした。
※虎の頭骨は「鬼を裂く」といわれ、疫病除けとされていました。
お守りは?というと、病名にも、薬にも「虎」の文字が当てられていたことから「張子の虎」が用いられました。
張子の虎は、少名彦(すくなひこな)神社の神前で祈祷した印として「薬」の文字を腹部に朱印し、五葉笹(※)につるして授与されました。
※五葉笹=節のところから5枚の葉が出ている笹のこと
時は流れ、明治時代初期に「売薬取締規制」が制定されると、丸薬の配布は廃止されました。張子の虎は「神虎の守り」といい、無病息災のお守りとして、現在まで受け継がれています。
大阪では一年を締めくくる祭りであることから、別名「とめの祭り」とも呼ばれており、家族の無病息災・神虎の御守を求める人で賑わっています。
医薬品、健康に通ずる企業にとっても、重要なお祭りとなっています。
今年は終わってしまいましたが、来年皆様も行ってみてはどうでしょうか。
閲覧いただき、ありがとうございました。