ケルセチン・ヘスペリジン・ルチン

quercetin・hesperidin・rutin

   

投稿日:2023年1月16日/更新日:2024年3月22日


ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンとは?健康効果や副作用についてご紹介

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンという成分をご存知でしょうか。

 

これらはフラボノイドに大別される成分で、サプリメントで見かけることも多い成分です。それぞれ特徴的な健康効果を有しており、最近では抗アレルギーや血流改善、抗酸化作用などで注目されることも多くなっています。

 

これらの成分は食品にも含まれており、食事からも摂取はできますが、効率を考えるとサプリメントでの摂取が効果的で、その健康効果の高さから、ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンが配合されたサプリメントも年々増加傾向にあります。

 

本記事では、このケルセチン・ヘスペリジン・ルチンの健康効果について、それぞれ効率的な摂取方法や副作用なども合わせて解説していきます。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンとは

ケルセチンを含む食品

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンは、それぞれポリフェノールの1種である「フラボノイド」に分類される成分です。

 

フラボノイドとは天然の植物に含まれる色素のことであり、現在までに4000種類以上のものが報告されています。中でも、ケルセチンは植物の果皮や樹皮に含まれていることが多く、ヘスペリジンは柑橘類の果皮に、ルチンは野菜やフルーツに多く含まれているのが特徴です。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンなどのフラボノイドは、血管透過性抑制作用が確認されたため、”透過性”を意味する”permeability”からビタミンPと、かつて呼ばれていました。ビタミンPは名前に「ビタミン」が含まれていますが、欠乏症が見つからなかったため「ビタミン様物質」に分類されています。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンの健康効果

血流改善

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンは、主に共通して血流改善の効果を有しており、加えて、それぞれの特徴的な健康効果も確認されています。

 

例えば、ケルセチンは抗酸化や抗炎症・アレルギー改善などの作用があり、ヘスペリジンは毛細血管の柔軟性を保つのに効果的です。ルチンに関しては、抗酸化作用に加えて血流改善や血管補強などの効果です。

 

このように、これらの成分はそれぞれが特徴的な健康効果を有しているので、以下のような症状の改善に有効です。

 

・花粉症などのアレルギー体質
・冷えや肩こり
・更年期のほてり
・むくみ
・毛細血管の強化

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンのそれぞれの特徴的な健康効果について、以下ではもう少し詳細に解説していきます。

 

【参考】
1.Ⅰ ケルセチンの生活習慣病予防機能
2.Rutin attenuates metabolic changes, nonalcoholic steatohepatitis, and cardiovascular remodeling in high-carbohydrate, high-fat diet-fed rats
3.Biological effects of hesperidin, a Citrus flavonoid. (note II): hypolipidemic activity on experimental hypercholesterolemia in rat

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンそれぞれが持つ特徴的な効果

ケルセチンは強力な抗酸化作用を持っていることが大きな特徴です。抗酸化作用があるとフリーラジカルによる体内のダメージを抑えられるので、炎症を軽減させる効果が期待できます。また、マスト細胞や好塩基球細胞からのヒスタミン放出を阻害するなど、抗アレルギー作用を有することも報告されており、最近ではケルセチンがアレルギーの治療に使われるケースも少なくありません。

 

ヘスペリジンには主に毛細血管の柔軟性を保つ作用があることが分かっており、末梢神経の血流改善、及びそれに伴う冷え性の改善などの効果が確認されています。実際、ハーブのナギイカダ、ビタミンCと一緒に摂取することで、慢性の静脈機能不全の治療に役立つことも報告されています。

 

ルチンについては強力な抗酸化作用が確認されているほか、血管を補強したり、血管の柔軟性を促したりする作用が確認されているので、血流の改善に効果的です。また、悪玉コレステロール値を下げる効果もあるので、生活習慣病の予防に役立つ可能性も示唆されています。

 

このように、ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンはそれぞれ特徴的な健康効果を持っていることから、最近では様々な領域で注目を集めています。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンの摂取について

ビタミンPを含む食品

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンは、食事を介した経口摂取も可能です。

ここでは、ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンを多く含む食品について解説していきます。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンを多く含む食品

ケルセチンは玉ねぎ、りんご、緑茶、そば、柑橘類などに多く含まれています。中でも玉ねぎは100gあたり28〜50mgものケルセチンが含まれており、含有量が特に多いのが特徴です。ケルセチンの1日あたりの摂取量は25mg程度が理想とされているので、玉ねぎの場合には50〜100g程度の量を食べれば十分な量を摂取できます。

 

ヘスペリジンはみかんや柚子、レモン、シークワーサーなどの柑橘類やさくらんぼに多く含まれています。傾向としては熟したみかんよりも、青みかんやシークワーサーなどの未成熟なものほど含有量が豊富です。ヘスペリジンについては1日あたり75〜150mg程度が理想的な摂取量とされているので、食品から摂取する際にはみかんやシークワーサーなどの柑橘類から摂取すると効率的です。

 

ルチンについてはそば、アスパラガス、トマト、いちじく、みかん、レモンなどに多く含まれています。ルチンの摂取量は1日あたり30mg程度が理想とされており、これは1食分のそばで十分にまかなえる量となっています。そのため、ルチンは1日1食そばを食べることで必要量の摂取が可能です。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンの吸収効率を上げるには

ケルセチンのサプリメント

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンは親油性の物質なので、体内への吸収効率が悪い傾向があります。吸収効率が悪いと体外へ排出される量が増えるので、健康効果の恩恵を受けづらくなる可能性も否定できません。そのため、これらの成分を摂取する際には少し工夫が必要になってきます。

 

例えば、油と一緒に摂取するのも1つの方法です。親油性の物質は油と一緒に摂取すると吸収されやすくなるので、効率よく摂取できるようになります。ただし、成分によってはヘスペリジンのように同時に摂取しにくいものもあるので、その点については注意が必要です。

 

また、体内への吸収効率を上げるために水溶性を付加した成分も存在するので、以下ではこの成分について解説していきます。

 

水溶性を付加した成分は吸収しやすい

水溶性を付加した成分は水に溶けやすく、体内へ吸収されやすいのが特徴です。このような成分は現在でも広く研究されており、最近では「糖転移ヘスペリジン」や「酵素処理ルチン」のようなものも出てきています。

 

糖転移ヘスペリジンはヘスペリジンに糖を結合させることで水溶性の性質を付与させたもので、通常のヘスペリジンよりも高い生体吸収効率を実現しています。

また、酵素処理ルチンは酵素によってルチンに糖を結合させたもので、糖転移ヘスペリジン同様に、ルチンに水溶性の性質を付与させることで吸収効率を高めた成分です。

 

これらの成分は主に加工食品用に開発された成分のため、サプリメントでの商品化にも意義があります。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンに副作用はある?

サプリメントを飲む女性の手

先ほど説明した通り、ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンにはそれぞれ特徴的な健康効果があるため、以前よりも摂取する人が増えているのが現状です。このような背景から、最近ではサプリメントも開発されており、これらの成分は簡単に、そして効率的に摂取できるようになっています。

 

これらのフラボノイドは、過剰摂取しても体外へ排出されやすいため、基本的に大きな副作用はありません。

 

これらが含有しているサプリメントの記載している一日推奨量を守る限り、大きな心配は必要がないと思われます。

 

ただし、極端な過剰摂取をしてしまった場合、頭痛や胃腸障害などの副作用を引き起こす可能性はあります。

 

またヘスペリジンに関しては、鎮痛剤やその他のサプリメントと併用によって、眠気の増長や血液凝固の抑制、血圧の低下といった副作用が発生するケースもあるため注意が必要です。

 

他の薬やサプリメントを服用している方は、医療機関に相談してからの摂取するように心がけましょう。

 

健康食品・サプリメントのOEMは「Held(ヘルト)」にお任せください

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンは抗酸化や抗アレルギー、血流改善などの優れた健康効果を有しており、現在でも活発に研究が進められている成分です。

また、その効果の汎用性の高さから、最近では健康食品やサプリメントに配合されることも多くなっています。

 

Held(ヘルト)では、最新のトレンドやニーズ、お客様のご要望に合わせて、様々な機能性原料を用いた商品の提案をしており、企画から製造、販売までのトータルサポートが可能となっています。

 

ケルセチン・ヘスペリジン・ルチンを配合した製品の対応も可能ですので、これらの成分を配合した独自製品の販売を検討している場合には、お気軽にお問い合わせください。

 

 
管理栄養士、博士(生物環境調節学) 千葉 大成

■監修

管理栄養士、博士(生物環境調節学)、専門は栄養生理学 千葉 大成

■人々の健康のために

 東京農業大学大学院博士課程修了後、国立健康栄養研究所、大学研究機関で、食と健康に関わる研究活動および教育活動に18年携わってきました。研究活動としては、機能性食品素材に着目した骨粗鬆症予防に関する研究を主に行ってきました。一方で、教育活動の傍ら、地域貢献セミナーや社会人教育にも携わってきました。
 そういった研究・教育活動から疾病をいかに予防するかを考えるようになりました。つまり、薬剤で“病気にフタ”をすることで病気を抑えることよりも生活習慣(食事、運動、サプリメント)で“病因を流す”ことによって疾病を予防していくことを積極的に働きかけていきたいと考えるようになりました。

■略 歴

2000年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了後、2018年まで大学教育研究機関で主にフラボノイドによる骨代謝調節に関する研究に従事した。