プラセンタ

Placenta

   

投稿日:2023年2月6日/更新日:2023年6月14日


プラセンタとは?美容だけじゃない健康効果と気になる副作用についてご紹介

プラセンタという成分を耳にしたことがあっても、どのような成分なのか詳細は分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

プラセンタはプロテインやコラーゲン、ケラチンなどと同じアミノ酸が結合したペプチドで、栄養が豊富にあり、美白・美容効果などで注目されています。しかし、プラセンタの健康効果は美容のみではありません。

本記事では、プラセンタの種類や健康効果、摂取方法や副作用について解説します。

プラセンタとは?

人間の胎盤プラセンタ
プラセンタとは、コラーゲンやプロテイン、ケラチンなどと同じ、アミノ酸が結合したペプチドのことです。

プラセンタは、ヒトや牛、豚や馬など多くの哺乳動物の胎盤で、母親の子宮内に着床した受精卵が胎児として育成する際、胎児と母体をつなぐ臓器として臨時的に形成され出産が終わるまで働きます。

胎児は胎盤とへその緒で結ばれ、育成に必要な酸素や栄養を受け取り、逆に老廃物を母体に渡しながら成長します。

胎盤は他にも、胎児にさまざまな成長因子や生理活性物質、ホルモンなどを供給し、胎児を異物の侵入や毒物から守る免疫機能を完遂するのです。

胎盤には、数多くのアミノ酸やたんぱく質・脂質・糖質に加え、酵素やビタミン、ミネラルが結合した活性ペプチドが含まれています。

プラセンタには種類が存在する

プラセンタには、動物性、植物性、海洋性などの種類が存在します。

下記ではそれぞれのプラセンタの特徴についてまとめましたので、参考にしてください。

種類代表的な原料特徴
動物性プラセンタヒト医療機関での肝機能障害や更年期障害の治療薬として使用されている
・1年に2回出産し、1度に10頭前後を出産するため、他の動物と比較して大量に胎盤を採取できる

・プラセンタの中で最も多く使用されている

・アミノ酸含有量が高い

・希少価値が高い

・徹底した管理体制の中で育てられたサラブレッドの胎盤から採取されることが多い

植物性プラセンタ発芽が起きる胎座・ミネラル、アミノ酸、ビタミンなどの栄養素は含まれている

・成長因子は含まれていない

・メロンの胎座などがよく使用されている

海洋性プラセンタ魚卵を包んでいる卵巣膜・ヒアルロン酸、アミノ酸、コラーゲンなどの栄養成分が含まれる

・成長因子は含まれていない

 

プラセンタ療法は「注射」かサプリなどの「経口摂取」が一般的

プラセンタ療法はプラセンタ注射、またはサプリやドリンクなどの経口摂取が一般的です。ただし、セルフケアの場合はプラセンタ配合の化粧品を使用し、肌からプラセンタを浸透させる方法もあります。

ここからはプラセンタ注射、経口摂取の特徴について解説します。

プラセンタ注射の特徴

プラセンタ注射
プラセンタ注射には、即効性が高いという特徴がありますが、効果を持続させるためには定期的に注射を打つ必要があります。

また、ヒト由来のプラセンタ製剤を1度でも注射すると、変異型クロイツフェルトヤコブ病に感染するリスクが0%といえないため、献血が不可能となります。

ただし、胎盤製剤は、製造過程で加熱のみでなく加水分解処理も加えられており、感染の安全対策が講じられているため、プラセンタ注射によって発症した症例はありません。そのため、献血ができなくなるほど危険という認識は誤解ともいわれています。

【参考】http://jplaa.jp/images/pdf/PDF-gokai.pdf

プラセンタの経口摂取の特徴

プラセンタサプリ
サプリやドリンクなどの飲むプラセンタは、注射と同様の効果を得られますが、注射と比較すると即効性は劣ります。ただし、注射ほど頻繁に医療機関を受診する必要はありません。

飲むプラセンタは、持ち運びができるため旅行や出張にも持参でき、いつでも飲用が可能です。

また、プラセンタ注射とは異なり、献血に関しての制限もありません。

しかし、カプセルの大きさや独特の臭いが気になる方もいらっしゃるため、場合によっては飲みにくさを感じることもあるでしょう。飲むプラセンタには医療機関でのみ購入可能な医薬品と通信販売やインターネットなどで購入できるサプリメントの2種類があります。

医薬品とサプリメントの特徴は下記のとおりです。

医薬品・医薬品としての基準をクリアしており、一定の品質が保証されている
・ヒト由来のプラセンタが原料
・飲み方や注意点について医師に相談しやすい
・値段が高い
サプリメント・豚などの動物性プラセンタが原料
・医薬品に比べ値段が安い
・良質な製品を見極めることが難しい
・購入可能な場所が多い

サプリメントを購入する時は、製造過程や安全性、成分に関する表記を確認することが大切です。また、医療機関でもサプリメントの飲むプラセンタを取り扱っている場合もあるため、相談してみるのも良いでしょう。

プラセンタの健康効果

プラセンタ注射
プラセンタの健康効果として、大きく分けて下記の4点が挙げられます。

・美肌、美白効果
・更年期障害の緩和、改善
・肝機能障害の改善
・自然治癒力の向上

プラセンタのそれぞれの健康効果について、詳しく解説していきます。

美肌、美白効果

プラセンタ療法には下記のような美肌、美白効果が期待できます。

・メラニンの生成を抑制
・肌の新陳代謝(ターンオーバー)の促進
・保湿
・コラーゲンの生成による弾力のアップ
・抗炎症作用によるニキビなどの改善
・抗酸化作用によるエイジングケア
・抗アレルギー作用
・血行促進によるくすみの改善
・肌の免疫機能の改善

プラセンタは、シミ予防のみではなく、現在できてしまっているシミにも働きかけます。

シミ予防については、メラミン色素を形成する「チロシナーゼ」という酵素の活性化を抑制する働きがあるため、シミとなるメラニン合成の抑制が可能です。肌のターンオーバーを促進し、メラニンの排出もスムーズになるため、できてしまったシミにも効果が期待できます。

なお、プラセンタには皮膚細胞の修復や再生、活性化をサポートする成長因子や栄養素が豊富に含まれているため、肌にハリをもたらし、たるみやシワの改善にも有効とされています。強力な抗酸化作用があり、過剰な活性酸素の発生を抑制するため、肌のくすみ改善にも効果を期待できるでしょう。

更年期障害の緩和、改善

プラセンタの健康効果として挙げられるのが、更年期障害の緩和・改善効果です。

プラセンタは更年期障害によるイライラやほてり、気分の落ち込みやのぼせ、不眠といった症状を緩和・改善させる医薬品として厚生労働省の認可が下りています。更年期障害の治療薬は医療機関のみで処方され、保険適用されています。

また、自律神経のバランスを整えたり、ホルモンのバランスを調整したりする働きもあり、産後に母乳が出ない乳汁分泌不全への治療薬としても保険適用が可能です。

なお、保険適用外ですが、月経前緊張症や生理不順の改善にも効果があるといわれています。

肝機能障害の改善

肝機能障害の改善もプラセンタの健康効果の1つです。

プラセンタは肝臓の治療薬として使用される医薬品で、肝臓内部に蓄積した脂肪を分解し、脂肪肝を改善する働きやアルコール性肝障害、ウイルス肝炎で傷んだ肝細胞を修復・再生する働きがあります。

プラセンタから抽出された成分で形成された医薬品を注射や内服などで治療に用いることをプラセンタ療法といいます。

プラセンタ療法の作用は下記のとおりです。

・肝疾患の場合、アルコールやウイルスで線維化した肝組織を修復する
・個々の細胞の組織呼吸や新陳代謝を高め、細胞機能を活性化する
・肝臓などに蓄積した脂肪を減少させる

慢性肝疾患による肝機能障害の場合、3〜4ヵ月ごとにウイルス量定量や所定の肝機能検査、医師が必要と考える血液検査を受ける方は保険適用となります。

【参考】プラセンタ療法とは – わかたけクリニック

自然治癒力の向上

プラセンタの健康効果の1つとして、自然治癒力の向上が挙げられます。

人体は軽い怪我をしたり、風邪を引いたりしても時間がたてば自然治癒力で回復が可能です。

プラセンタは自己の力で病気や体調不良を長期化させないよう、自然治癒力を強く押し出す働きがある自然薬として知られています。

プラセンタは、医薬品のように特定の症状のみを抑制するのではなく、下記のような数多くの病気や症状に効果を発揮します。

薬理作用プラセンタの働き
強肝・解毒作用肝臓の働きを高める
抗炎症作用炎症を抑制し、破壊した組織を修復する
活性酸素除去作用細胞を破壊する酸素を除去して酸化を防ぐ
自律神経調整作用自律神経のバランスを整える
内分泌調整作用内分泌系のバランスを整える
基礎代謝向上作用新陳代謝・基礎代謝を高め、細胞や組織を活性化させる
免疫賦活作用免疫力を強化して抵抗力を高める
血行促進・造血作用造血組織を刺激して血流を良好にする

【参考】プラセンタ療法|プラセンタは新陳代謝を活発にし、自然治癒力を高めます

プラセンタに副作用はある?

プラセンタは、1950年代に肝機能障害や更年期障害の治療を目的とした医薬品として厚生労働省に認可されて以来、現在も多くの医療機関で利用されている比較的副作用の少ない成分です。

さまざまな健康効果から「注射する漢方薬」とも称されるプラセンタですが、以下のような症状が起こる可能性が考えられます。

・注射部位の疼痛
・発疹、発熱、掻痒感などの過敏症
・注射部位の硬結
・頭痛
・AST、ALTが上昇するなどの肝機能障害

また、サプリメントなどで摂取する場合は、豚などの動物由来のプラセンタを利用するケースが多いため、動物性タンパク質にアレルギーがある場合は、医者や薬剤師に相談することをおすすめします。

【参考】PLACENTA INJECTIONプラセンタ注射をお考えの患者様へ

健康食品・サプリメントのOEMは「Held(ヘルト)」にお任せください

サプリメントの開発
プラセンタには三大栄養素であるたんぱく質・脂質・糖質に加え、酵素やビタミン、ミネラル、アミノ酸が結合した活性ペプチドが含まれています。

プラセンタは、美肌・美白効果のほかにも、更年期障害の緩和や改善、肝機能障害の改善、自然治癒力の向上などに有効です。

なお、プラセンタは比較的副作用は少ない成分ですが、アレルギーや肝機能障害などの症状が発生する可能性はあります。また注射によって摂取する際は、感染症のリスクが否定できないため、献血は不可能となります。

副作用が心配であれば、医師や薬剤師によく相談してから摂取しましょう。

Held(ヘルト)では数多くの実績と膨大な情報を元に、企画・製造・販売までの1つ1つの工程をクライアントの希望や特性に合わせて最適化し、低コストで売れる商品を作るためのサポートができます。

プラセンタを配合した製品の対応も可能なため、プラセンタを配合した独自製品の販売を検討している際は、弊社までお問い合わせください。

 

 
管理栄養士、博士(生物環境調節学) 千葉 大成

■監修

管理栄養士、博士(生物環境調節学)、専門は栄養生理学 千葉 大成

■人々の健康のために

 東京農業大学大学院博士課程修了後、国立健康栄養研究所、大学研究機関で、食と健康に関わる研究活動および教育活動に18年携わってきました。研究活動としては、機能性食品素材に着目した骨粗鬆症予防に関する研究を主に行ってきました。一方で、教育活動の傍ら、地域貢献セミナーや社会人教育にも携わってきました。
 そういった研究・教育活動から疾病をいかに予防するかを考えるようになりました。つまり、薬剤で“病気にフタ”をすることで病気を抑えることよりも生活習慣(食事、運動、サプリメント)で“病因を流す”ことによって疾病を予防していくことを積極的に働きかけていきたいと考えるようになりました。

■略 歴

2000年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了後、2018年まで大学教育研究機関で主にフラボノイドによる骨代謝調節に関する研究に従事した。