NMN β‐ニコチンアミドモノヌクレオチド

NMN

   

投稿日:2022年6月27日/更新日:2024年3月22日


最近、「NMN」という言葉をよく聞くようになってきたのではないでしょうか。
いまや、NMNは健康食品業界では最も注目ワードの一つです。
今回はNMNがどういった成分なのか、流行しているきっかけなどをご紹介します。

注目成分NMN

NMNとは、食品成分の一つで、母乳、枝豆、ブロッコリー、アボカドなどに含まれ、体内ではビタミンB3(ニコチンアミド)を材料として生成される成分です。

正式名称である「β‐ニコチンアミドモノヌクレオチド」のそれぞれの頭文字を取った略で通称「NMN」と呼ばれています。

この成分が配合されたサプリメントは、昨年の出始めの頃こそインターネット通販などで1箱あたり数万円~数十万円の値段で販売されていましたが、現在は数千円~2・3万程度の安価な商品も流通しています。

MN流行のきっかけとは?

サプリメントを飲む高齢者女性

なぜ、こんなにも高価格な商品が急に流行した要因とはなんでしょうか。
その主な理由には、NMNに驚異的なエビデンスが発表されたのが理由の一つです。

それは、NMNに「マウスの寿命を延ばした」という研究結果が発表されたことです。
NMNの主な効果は、「サーチュイン遺伝子」の活性化と言われています。

サーチュイン遺伝子とは、長寿遺伝子や抗老化遺伝子などとも言われ、言葉の通りに、寿命やアンチエイジングに関連した遺伝子のことです。
マウス実験において、この遺伝子を活性化させたことにより、寿命そのものを延伸させたという結果が業界内外で大きく注目されました。

また、ミトコンドリア内でのATP産生を促進する効果も発表されております。

これらのエビデンスが発表されたことがきっかけで、業界内での認知度が一気に高まったのです。

インフルエンサーによる認知度拡大

動画配信を行う女性

さらにYouTuberや芸能人などの著名人などによって、NMNについて発信される機会も増えて、大きく拡散されるようになりました。
インフルエンサーの方の発信から知ったという方も少なくないのではないでしょうか。

また、最近ではTVなどの各メディアで、NMNの研究成果や将来への期待などが取り上げられた事によって、一般消費者への認知も一気に広がりました。

これらの事も助長して、日本国内でのNMNの認知拡大へと繋がっており、新規にNMNサプリメントの販売を考えられる会社様が増えているようです。

食薬区分について

あらゆる製品の原材料は、厚生労働省によって「医薬品に該当するか否か」を定められています。
そのため、海外では食品として扱われていても、日本国内にて「非医薬品リスト」に含まれていない場合、その成分はサプリメントなどの健康食品へ一切配合することはできません。

NMNは2020年の3月の食薬区分改正で、「非医薬品リスト」に新たに追加されたことにより、健康食品でも配合できるようになりました。
これまでにも、コエンザイムQ10やL‐カルニチン、βアラニンなどが食薬区分の緩和を受けて、大きな市場を形成してきた経緯があります。

NMNは、先述のようなサーチュイン遺伝子やアンチエンジングへの高い効果で、兼ねてより美容業界や感度の高いサプリメント愛好家から高い注目を浴びていた成分でしたので、瞬く間に各社が商品化を進めて市場を形成していきました。

NMNサプリメントを企画する理由

サプリメント開発

NMNを構成するビタミンB3は、体の中で自然に生産される物質ですが、10代後半をピークとして、加齢に伴って生産されなくなっていきます。
そして50代を迎える頃にはピーク時の半分ほどしか生産されなくなると言われています。

体内でのビタミンB3の量が不足すると、老化が進むようになるとも言われており、体外からの摂取に頼る必要が出てきます。

しかし、一般の食品から摂取するのは非常に難しく、1日に必要なNMNを食品から摂るには、ブロッコリーなら2000房、枝豆で10000粒、アボカドで600個が必要とも言われています。
そのため、サプリメントでNMNを補填して老化を抑える目的での製品を企画する販売会社が一気に増えてきたのです。

Held(ヘルト)では、最新のニーズに合わせた企画・提案が可能です。
いま流行の製品をご考案の際は、是非ともご相談ください。

 

 
管理栄養士、博士(生物環境調節学) 千葉 大成

■監修

管理栄養士、博士(生物環境調節学)、専門は栄養生理学 千葉 大成

■人々の健康のために

 東京農業大学大学院博士課程修了後、国立健康栄養研究所、大学研究機関で、食と健康に関わる研究活動および教育活動に18年携わってきました。研究活動としては、機能性食品素材に着目した骨粗鬆症予防に関する研究を主に行ってきました。一方で、教育活動の傍ら、地域貢献セミナーや社会人教育にも携わってきました。
 そういった研究・教育活動から疾病をいかに予防するかを考えるようになりました。つまり、薬剤で“病気にフタ”をすることで病気を抑えることよりも生活習慣(食事、運動、サプリメント)で“病因を流す”ことによって疾病を予防していくことを積極的に働きかけていきたいと考えるようになりました。

■略 歴

2000年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了後、2018年まで大学教育研究機関で主にフラボノイドによる骨代謝調節に関する研究に従事した。