5-ALA
投稿日:2022年6月27日/更新日:2024年3月22日
「5-アミノレブリン酸」という成分をご存知でしょうか?
近年のコロナ禍において大きく取り上げられるようになっている成分の一つで、これからの市場形成に大きな期待がかかっています。
今回はいま急成長している成分5-アミノレブリン酸についてご紹介します。
5-アミノレブリン酸とは、生命維持のために必要なエネルギーを作り出すアミノ酸です。
5-ALA(ファイブアラ/ファイブエーエルエー)とも呼ばれる成分で、36億年以上前からこの地球に存在し、あらゆる植物や動物が体内で作り出していると言われています。
動物では、血液の中の酸素を肺から全身へと運ぶ「ヘモグロビン」のように、体内に存在している「ヘム」を作り出すことが知られており、特にヒトの体内では、上記のヘモグロビン形成以外にも、エネルギーの産生を助けることや、病原菌への攻撃をおこなうことも知られています。
これらの事から、人体での生命維持の主要な役割を担う重要な成分であることが分かっています。
植物では、エネルギーを作り出す光合成の中心を担う葉緑体の原料になるとされています。
植物が光合成により作り出す酸素と、それを動物の血液中に運び出すヘモグロビンが無ければ、全ての生物は生命を維持してくることが出来なかったでしょう。
大きく言ってしまえば、太古の昔より地球を支えてきた成分といっても良いでしょう。
これら生命維持に重要な5-アミノレブリン酸は、人体の中で生産を繰り返しています。
成人男性で1日に3.7gほど生産されると言われていますが10代後半が生産量のピークと言われており、加齢に伴いどんどん生産量は減少していくと言われています。
また、ストレスや偏った生活習慣によっても影響を受けます。
生産量の減少によって、基礎代謝量が落ちて太りやすくなったり、エネルギー産生能が落ちることによって、体調不良を引き起こしやすくなります。
また、お肌のうるおいがが保たれなくなったりする一因となるとも言われております。
5-アミノレブリン酸の不足は、このような健康・美容における悪影響を引き起こしてしまいます。
体外からの補填を考えてみるのも良いでしょう。
引用元:ALA サイエンスフォーラム 第2回マスコミセミナー「注目のアミノ酸ALA 最新研究報告」
5‐アミノレブリン酸は、様々な食品にも含まれており、日常的に摂取をしています。
特に、納豆やお酢、日本酒、赤ワイン、味噌などの発酵食品によく含まれていております。
しかし、体内での産生量に比べて食品に含まれる5‐アミノレブリン酸は、ごくごく少量です。
例えば、1日に必要な5‐アミノレブリン酸をこれらの食品から補おうとした場合、赤ワインなら約2リットル、日本酒では約5リットル、お酢では4リットル以上を飲む必要がありますが、現実的にこの量を一般食品から摂取するのは難しいです。
そのため、サプリメントからの摂取が必要と言われています。
最近では、健康食品・化粧品系の商材を扱う大手のメーカー様で5-アミノレブリン酸の配合されたサプリメントの商品が見受けられるようになってきております。
これは、5-アミノレブリン酸の新規性の高さや、エビデンス自体が注目されていることや、人々の食経験のある素材であることによる親和性や安心感も相まって、急激に一般市場での認知度も高まっているためで、今後もどんどん各市場から新製品が増えてくる可能性が高いです。
5-アミノレブリン酸は、高い生物学的利用能を持つ性質から、健康食品だけではなく、抗がん剤など様々な目的で利用をされております。
特に、感染防御能にスポットライトが当てられており、最近発表された新型コロナウイルスに対するエビデンスに注目が集まっています。
国立大学の研究において、5-アミノレブリン酸の新型コロナウイルスに対する作用について研究が進められてきました。
その研究成果として、新型コロナウイルスへの感染を抑制する作用が確認されており、医薬品分野などでの研究も今後、進んでいくことでしょう。
健康食品では「新型コロナウイルス対策サプリ」という商品の開発はできませんが、新しい素材としての期待感が市場認知を押し上げた理由の一つだと考えられております。
コロナ禍において、免疫関連の市場は大きな延伸を見せております。
日本国内外を問わず、新規の食品成分も多く開発・上市されるようになりました。
これら新しい素材の情報も正しくキャッチして、本当に良い製品を企画していくことが大切になってきているかもしれません。
また、免疫に限らず、新型コロナウイルスの影響によって、新製品の開発の仕方も大きく変わってきました。
消費者の生活スタイルや需要が大きく変動していく中で、「求められる製品」、「喜んでもらえる製品」も変革を見せております。
Held(ヘルト)では、この度の「アミノリブレン酸(5-ALA)」のような入手困難な原料も柔軟にアレンジして新規性の高いオリジナリティのある製品の提案が可能です。
いまどんな製品を開発したら良いかわからないと悩まれる時は、ぜひ弊社へとお問い合わせください。
このようなご時世だからこそ、新しい需要に合わせた製品提案もさせていただきます。
管理栄養士、博士(生物環境調節学)、専門は栄養生理学 千葉 大成
東京農業大学大学院博士課程修了後、国立健康栄養研究所、大学研究機関で、食と健康に関わる研究活動および教育活動に18年携わってきました。研究活動としては、機能性食品素材に着目した骨粗鬆症予防に関する研究を主に行ってきました。一方で、教育活動の傍ら、地域貢献セミナーや社会人教育にも携わってきました。
そういった研究・教育活動から疾病をいかに予防するかを考えるようになりました。つまり、薬剤で“病気にフタ”をすることで病気を抑えることよりも生活習慣(食事、運動、サプリメント)で“病因を流す”ことによって疾病を予防していくことを積極的に働きかけていきたいと考えるようになりました。
2000年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了後、2018年まで大学教育研究機関で主にフラボノイドによる骨代謝調節に関する研究に従事した。