カテキン

catechin

   

投稿日:2022年11月11日/更新日:2024年3月22日


カテキンの健康効果とは?緑茶以外の摂取方法やデメリットもご紹介

カテキンという成分をご存知でしょうか。

 

カテキンは緑茶に多く含まれていることで日本人にも馴染みの多い成分ですが、近年ではその優れた健康効果で世界中でサプリメントの成分として活用されています。

その効果は、血中コレステロールを抑制するほか、抗酸化作用や、がん予防にも役立つことが期待されています。

 

また、抗菌・抗ウイルス作用があることも分かっており、最近では新型コロナウイルスに対する効果で注目されています。

 

緑茶に含まれている成分ですが、緑茶からまとまった量のカテキンを摂取するのは難しいため、相当の健康効果が得られる量のカテキンを摂取するにはサプリメントでの摂取がおすすめです。

 

【緑茶でお馴染み】カテキンとは

【緑茶でお馴染み】カテキンとは

カテキンとは、ポリフェノールの一種であり、主にお茶に含まれている苦味成分の1つです。

お茶には緑茶やウーロン茶、紅茶などがありますが、中でも緑茶における含有量が最も多くなっています。

 

緑茶に含まれるカテキンとしては、主にエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4種類があげられます。

中でも、エピガロカテキンガレートは含有量が特に多く、活性も高いのが特徴です。

 

体内での働きについてはいくつかあり、代表的なものでは脂肪分解酵素、及び脂肪代謝酵素を活性化させる働きがあげられます。

そのほか、活性酸素を除去する役割を果たしているなど、健康維持に大きく寄与できる可能性のある成分です。

 

カテキンの健康効果

カテキンの健康効果

先述の通り、カテキンには多くの健康効果があります。

それらの健康効果について一つ一つ解説をしていきます。

 

ダイエット効果

カテキンには脂肪分解酵素と脂肪代謝酵素を活性化させることで、体内で脂肪の分解と代謝を促進させる作用があります。

脂肪が燃焼されやすくなると、新陳代謝も高まるので、ダイエット効果が期待できます。

 

加えて、カテキンには脂肪の吸収を緩やかにする効果があるため、食事とともに摂取することで肥満予防にもなります。

この効果は主にガレート型カテキンによるものです。

 

血中コレステロールの低下

カテキンは食後のコレステロール吸収を抑制し、コレステロールや胆汁酸の排泄を促進する作用があります。

そのため、食事中やその前後で摂取することで、血中コレステロールの量を低下させることが可能です。

 

この作用は悪玉(LDL)コレステロールにのみに強く作用するため、LDLコレステロールの増加が原因で生じる生活習慣病の予防に効果的です。

 

抗酸化作用

カテキンはスーパーオキシドやヒドロキシラジカルなどの活性酸素と反応し、それらを消去する抗酸化作用があることが分かっています。

活性酸素は細胞機能に支障をきたし、老化を促進させる原因にもなってくるので、カテキンの摂取は細胞機能を正常に保ち、若々しさを維持するのにも効果的です。

 

カテキンの抗酸化作用は、抗酸化力があるビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどよりも大きな抗酸化効果が見込めます。

 

虫歯・口臭予防

カテキンには抗菌作用があり、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の増殖を抑制する効果があります。

ミュータンス菌の増殖が抑えられると、ミュータンス菌の歯への付着や、酸による歯表面のエナメル質の溶解を防げるので、虫歯を予防することが可能です。

 

また、抗菌作用によってミュータンス菌をはじめとする口内の菌の増殖が抑えられると、結果的に口内を清潔に保てるので、口臭予防にも効果的です。

 

がん予防

がんは細胞のDNAが傷ついたり、突然変異したりすることで発生するのが一般的なメカニズムです。

そのような背景の中、カテキンには細胞の突然変異抑制作用があることが知られており、がん予防に効果的である可能性が示唆されています。

 

また、カテキンには抗酸化作用があることから、活性酸素による細胞やDNAへのダメージも防ぎやすく、このこともがん予防に寄与している可能性があると言われています。

 

抗菌・抗ウイルス作用

先ほど説明した通り、カテキンには抗菌作用があり、ミュータンス菌以外にもO-157や食中毒菌、ピロリ菌などの増殖を抑えることが可能です。

殺菌作用もあり、風邪の予防や症状緩和にも効果的になってきます。

 

また、抗ウイルス作用があることも分かっており、最近では新型コロナウイルスのスパイクタンパクに結合し、細胞への感染を抑制することが確認されています。

コロナウイルスの不活性化に活用できないか、現在でも研究が進められているところです。

 

参考:【論文掲載】茶カテキン類による新型コロナウイルス不活化効果を試験管内の実験で確認(京都府立医科大学と伊藤園の共同研究)

 

カテキンの取りすぎによるデメリット

カテキンの取りすぎによるデメリット

カテキンは古来より食経験のある安全な成分ですが、過剰摂取した場合には、カテキンどうしが結合してタンニンという成分が生じることがあります。

 

タンニンは酸化されるとタンニン酸という物質に変わり、胃粘膜が薄くなる原因になったり、腸粘膜が刺激されたりする可能性があります。

場合によっては胃腸障害が発生することもあるので、少し注意が必要です。

 

また、タンニン酸にはタンパク質を凝固させる働きがあり、体内に悪影響を及ぼす恐れがあるので、その点についても注意が必要になってきます。

安全にカテキンの効果を実感するためにも、過剰摂取は控えておくことが大切です。

 

カテキンをサプリメントで摂取する意義

カテキンのサプリメントの容器

カテキンは主にお茶などに含まれており、食品からも摂取することはできますが、その量はわずかで健康効果を得るためには十分ではありません。

 

また、苦味がかなり強い成分なので、一般食品から摂取は食味的にも困難を極めます。

 

サプリメントでは、カテキン成分を高濃度で抽出した原料を使用し、打錠やカプセル形状にすることで、特有の強い苦みを感じさせずに摂取が可能にすることができるため、カテキンを摂取する場合には、サプリから摂取するのがおすすめです。

 

カテキンが多く含まれる食品

先ほど説明した通り、カテキンを多く含む食品としてはお茶があげられ、その中の代表的なものとしては緑茶があげられます。

そのため、万が一食品から摂取する場合には緑茶がベストです。

 

お茶以外の飲み物では、大豆飲料、抹茶、小豆、ココアなどに多く含まれています。

食べ物に関しては、りんごやブラックベリー、さくらんぼ、ぶどう、梨、きいちごのような果物のほか、ソラマメやチョコレートなどにも豊富です。

 

緑茶にはいくつかの茶種がありますが、茶種によっても含有量が異なり、特に含有量が多いものについて、成分に占める総カテキン量の割合は以下の通りとなっています。

 

  • 玉緑茶(釜いり製):16.08%
  • 煎茶:15.57%
  • 玉緑茶(蒸し製):15.41%

 

参考:市販緑茶の個別カテキン類とカフェインの分析

 

1日における推奨摂取量

カテキンは1日あたりの推奨摂取量が定められているわけではありません。

 

しかし、1日あたり540mg以上の毎日摂取で脂肪燃焼効果が見込まれているので、1日あたり540mg程度の量を摂取するのがおすすめです。

540mgというと、緑茶換算で湯呑10杯分程度の量になってきます。

 

湯吞10杯分の緑茶を1日で摂取することは不可能ではありませんが、これを継続的に摂取するとなると、現実的には難しいと言えます。

そのため、無理なく摂取するためにも、カテキンはサプリから摂取するのがおすすめです。

 

ただ、過剰摂取はデメリットを伴う可能性があるので、サプリメントで摂取する場合は適正量を守ることが大切です。

 

健康食品・サプリメントのOEMは「Held(ヘルト)」にお任せください

近年では、カテキンを関与成分とした機能性表示食品も多数上市されており、そのヘルスクレームのインパクトの強さから、市場でも多くの支持を得ているようです。

また、口腔ケア商材での引合いも増えているようで、活用の幅を広げている成分です。

 

Held(ヘルト)では、最新ニーズやお客様のご要望に合わせて、様々な機能性原料を用いた商品の提案をしており、企画から製造、販売まで、幅広いサポートが可能となっています。

 

カテキン配合製品の対応も可能ですので、カテキン配合の独自製品の販売を検討している場合には、お気軽にお問い合わせください。

 

 
管理栄養士、博士(生物環境調節学) 千葉 大成

■監修

管理栄養士、博士(生物環境調節学)、専門は栄養生理学 千葉 大成

■人々の健康のために

 東京農業大学大学院博士課程修了後、国立健康栄養研究所、大学研究機関で、食と健康に関わる研究活動および教育活動に18年携わってきました。研究活動としては、機能性食品素材に着目した骨粗鬆症予防に関する研究を主に行ってきました。一方で、教育活動の傍ら、地域貢献セミナーや社会人教育にも携わってきました。
 そういった研究・教育活動から疾病をいかに予防するかを考えるようになりました。つまり、薬剤で“病気にフタ”をすることで病気を抑えることよりも生活習慣(食事、運動、サプリメント)で“病因を流す”ことによって疾病を予防していくことを積極的に働きかけていきたいと考えるようになりました。

■略 歴

2000年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了後、2018年まで大学教育研究機関で主にフラボノイドによる骨代謝調節に関する研究に従事した。