投稿日:2023年8月29日/更新日:2024年3月22日
オリーブ葉(果実)エキスはオリーブの葉、あるいは果実から抽出して得られるエキスで、ポリフェノールを多く含む植物由来原料の1つです。
健康効果としては、抗ウイルス・抗菌作用のほか、抗炎症・美肌作用など、さまざまな効果が確認されている原料となっています。
食事やお茶からも摂取できる成分ですが、継続的に摂取する場合にはサプリメントを服用するのがおすすめです。
本記事では、オリーブ葉(果実)エキスの健康効果や副作用、摂取方法について解説していきます。オリーブ葉(果実)エキスについて知りたい方には有益な内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
オリーブ葉(果実)エキスとは、オリーブの葉、あるいは果実から抽出して得られるエキスです。
栄養価の優れた植物由来原料で、ポリフェノールを多く含んでいるのが特徴となっています。中でも、オリーブ葉エキスには特に多くのポリフェノールが含まれており、その含有量は赤ワインの2.2倍、緑茶の3.3倍におよぶといわれているほどです。
オリーブ葉(果実)エキスにはさまざまな成分が含まれており、その中でもエキスの効果を特徴づけるものとされているのが、以下の成分です。
成分 | 特徴 |
オレウロペイン | 強力な抗酸化作用、コラーゲン生成補助作用を有する。 |
ヒドロキシチロソール | オレウロペインの分解物で、殺菌・解熱作用を有する。 |
マスリン酸 | オリーブ果実エキスに豊富で、抗炎症作用を有する。 |
このように、オリーブ葉(果実)エキスには生理活性を有する複数の成分が含まれているため、さまざまな健康効果が報告されています。
オリーブ葉(果実)エキスのおもな健康効果は、以下の5つです。
オリーブ葉(果実)エキスには、抗ウイルス・抗菌から抗炎症、美肌効果に至るまで、さまざまな効果が確認されています。そのため、最近では幅広い分野で注目を集めており、摂取需要も高まっています。
ここでは、オリーブ葉(果実)エキスの健康効果について詳しく解説していきます。
オリーブ葉(果実)エキスの代表的な効果が、抗ウイルス・抗菌効果です。
エキスの成分であるオレウロペインには、ヘルペスやインフルエンザウイルス、黄色ブドウ球菌など、幅広いウイルス・細菌に対する増殖抑制作用が確認されています。
また、オレウロペインにはマクロファージや好中球の働きを活性化させる作用もあり、免疫力の上昇によってウイルス・細菌の増殖を抑えられる可能性も示唆されています。
このように、オレウロペインは直接的、かつ間接的にウイルスや細菌の増殖を抑え、多様なメカニズムによって抗ウイルス・抗菌作用を発揮するのが特徴です。オレウロペインはオリーブ葉エキスに豊富に含まれているので、オリーブ葉エキスの摂取は感染症を予防するうえで役に立つといわれています。
【参考】
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33541815/
オリーブ葉(果実)エキスは、生活習慣病の予防に役立つ原料としても有名です。
エキスの成分であるオレウロペインには強力な抗酸化作用があり、その作用によって血糖値や血圧、コレステロール値を下げる効果が確認されています。
さらに、オレイン酸のような他の成分にも、悪玉コレステロールを減らすなどの作用が確認されており、複数の成分が同じような作用を有すると報告されています。
このように、オリーブ葉(果実)エキスにはオレウロペインを始め、血糖値や血圧、コレステロール値を改善できる複数の成分が含まれているので、オリーブ葉(果実)エキスの継続的な摂取は生活習慣病を予防するうえで効果的です。
【参考】
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34127683/
オリーブ葉(果実)エキスには、抗炎症作用があるのも1つの特徴です。
先ほど説明した通り、エキスの成分であるオレウロペインには強力な抗酸化作用がありますが、その作用による抗炎症効果も報告されています。
また、オリーブ果実エキスに多く含まれるマスリン酸にも抗炎症作用が確認されており、マウスを用いた試験では関節炎の予防効果を示したとの報告もされています。
このように、オリーブ葉(果実)エキスには抗炎症作用を有する成分が複数含まれているので、オリーブ葉(果実)エキスの摂取は関節炎など、炎症性疾患の予防・改善に効果的です。
【参考】
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26951205/
オリーブ葉(果実)エキスの効果の中で最近注目されているのが、美肌・アンチエイジング効果です。
エキスの成分であるオレウロペイン、およびその分解物ヒドロキシチロソールには、抗酸化作用によってメラニン合成を抑制する効果が確認されています。シミなどの原因となるメラニンの過剰合成を抑制できるため、肌を綺麗に保つうえで有益です。
また、オレウロペインにはコラーゲンの生成を補助する作用もあり、肌を若々しく保つうえで重要な成分といわれています。
このように、オリーブ葉(果実)エキスには美肌・アンチエイジング効果のある成分が含まれているので、最近では化粧品などに配合される機会も増えています。
オリーブ果実エキスに関しては、疲労・筋肉痛の改善に役立つ原料としても有名です。
オリーブ果実エキスに豊富なマスリン酸には、疲労感や筋肉痛を軽減させる効果がヒト試験において確認されています。
また、先ほど説明したようにマスリン酸には抗炎症作用があり、関節炎の予防効果を示したとの報告もあるので、疲労に伴う関節痛の予防・改善にも効果が期待されています。最近では関節痛予防が期待できる製品として、オリーブ果実エキス粉末が販売されるケースも増えている状況です。
このように、マスリン酸には疲労に伴う種々の症状を改善する効果が期待されているため、最近では運動時にオリーブ果実エキスを併用する人も増えています。
現在のところ、オリーブ葉(果実)エキスに重篤な副作用は確認されていません。
歴史が古く、長期間使用されている原料なので、安全性についてはしっかりと確認されています。
また、成分にカフェインも含まれていないので、オリーブの葉をお茶にしたもの(オリーブ葉茶)についても、健康被害はほとんど確認されていないのが現状です。
ただし、あまりに摂取量が多いと、抗酸化・抗菌作用によるデトックス効果の影響が大きくなり、体調に異変を感じるケースもあります。具体的な症状として、軽い頭痛やだるさ、喉の不快感などを伴うことがあるので、過剰摂取には注意するようにしましょう。
オリーブ葉(果実)エキスには、以下のような摂取方法があります。
オリーブ葉(果実)エキスにはさまざまな摂取方法がありますが、最近ではサプリメントからの摂取が人気を集めています。また、美肌・アンチエイジング効果を目的として、化粧品に配合されているケースもあるので、塗布での摂取も可能です。
ここでは、これらオリーブ葉(果実)エキスの摂取方法について詳しく解説していきます。
オリーブ果実エキスはオリーブの果実に含まれる成分なので、オリーブの果実を直接食べても同様の健康効果を得られます。オリーブの果実を食べる場合には、1日5〜6個を目安にし、塩漬けなどの方法で食べるのがおすすめです。
ただし、オリーブの果実には食物繊維が多く、食べ過ぎるとお腹を緩くしてしまう可能性もあるため、過剰摂取には注意しましょう。
オリーブの葉に関しては、ポリフェノールが多く含まれているため、果実よりも苦味が強くなっています。そのため、直接食べるのには向いておらず、一般的にはお茶にして飲まれるケースがほとんどです。
オリーブの葉はお茶にしてもしっかりと成分が抽出されるので、健康効果を実感しやすくなっています。
オリーブはそこまでメジャーな食品ではないため、食事やお茶からでは毎日の摂取が難しいケースもあります。そのような場合には、サプリメントの服用がおすすめです。
サプリメントを服用すれば、食事やお茶から摂る必要がなくなるので、毎日でも手軽にオリーブ葉(果実)エキスを摂取しやすくなります。
また、サプリメントには成分が濃縮して配合されているので、食事やお茶よりも効率的な摂取が可能です。手軽さを求める場合には、最適の方法といえるでしょう。
ただし、サプリメントには製品ごとに摂取量が決められているので、摂取する際にはその量を守り、過剰摂取にならないよう注意するようにしましょう。
オリーブ葉エキスが配合された化粧品を使うのも1つの方法です。
最近ではオリーブ葉エキスが配合された化粧水、美容クリームなどが多数販売されているので、化粧品成分としても摂取しやすくなっています。
化粧水や美容クリームの場合には塗布する形で摂取できるので、成分が肌に接触しやすく、肌に対して効果が発揮されやすくなっています。そのため、美容・アンチエイジング効果を得たい場合にはおすすめの方法です。
オリーブ葉エキスは皮膚刺激性を示さないことが安全性試験で報告されており、化粧品成分としての安全性もしっかりと確認されています。そのため、一般的な用量で使用する分には、塗布する形でも問題なく使用可能です。
オリーブ葉(果実)エキスはオリーブの葉、あるいは果実から抽出される植物由来原料で、抗ウイルスや抗炎症、美肌作用など、さまざまな健康効果が確認されている原料です。
食事やお茶からの摂取も可能ですが、最近では継続的に摂取しやすいサプリメントの需要が高まっています。
Held(ヘルト)では、最新ニーズやトレンド、お客様のご要望に合わせ、さまざまな機能性原料を用いたOEM・ODMサービスを展開しています。
商品開発をお任せいただける場合には、企画から製造、販売まで、一貫したトータルサポートも可能です。
オリーブ葉(果実)エキス配合の製品についても対応可能ですので、オリーブ葉(果実)エキスを配合した独自製品の販売を検討している場合は、お気軽にお問い合わせください。
《記事監修:千葉 大成 管理栄養士・博士(生物環境調節学)》
管理栄養士、博士(生物環境調節学)、専門は栄養生理学 千葉 大成
東京農業大学大学院博士課程修了後、国立健康栄養研究所、大学研究機関で、食と健康に関わる研究活動および教育活動に18年携わってきました。研究活動としては、機能性食品素材に着目した骨粗鬆症予防に関する研究を主に行ってきました。一方で、教育活動の傍ら、地域貢献セミナーや社会人教育にも携わってきました。
そういった研究・教育活動から疾病をいかに予防するかを考えるようになりました。つまり、薬剤で“病気にフタ”をすることで病気を抑えることよりも生活習慣(食事、運動、サプリメント)で“病因を流す”ことによって疾病を予防していくことを積極的に働きかけていきたいと考えるようになりました。
2000年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了後、2018年まで大学教育研究機関で主にフラボノイドによる骨代謝調節に関する研究に従事した。